我々の脳は非常に優秀です。
コンピューターの何倍もの記憶力を持ち、常に予測を欠かしません。
この予測があるからこそ、日常生活を支障なく過ごせるのです。
例えば、車の運転では、他の車の動きを予測しながら、自分の車を運転します。
さらに、アクセルやブレーキを瞬時に操作し、ぶつからないようにしたり、
行きたい場所へのルートを判断します。これらは脳の予測がないとできない行動
です。無意識にも近い気持ちで運転していますが、実に高度な機能を使って
いるのです。
日常生活においては、真新しいことはないため、脳はリラックスしてルーティンを
こなしていますが、急に予想外の出来事が起こると脳は急に不安になり、
緊張してきます。新しいことを始める前も緊張するのは、脳が予測できないこと
なので不安になってきている証拠です。
この不安や緊張があるため人間は失敗します。
全国大会などの大きな大会で記録を出すためには、いつも通りの動きをすれば
いいのに、緊張して体が強張って力が発揮できません。リラックスして、
いつも通りできた人が優勝するのです。
これは周りの人の実力が分からなかったり、場所が不慣れのため、脳が予測することが
できず不安になっているため緊張をしてしまうのです。
仕事においても、絶対失敗できないプレゼンや商談のときに、緊張して実力が
発揮できないのも、これと同じ原理です。
では、緊張しない方法はあるのでしょうか?
それは自分なりの儀式をおこなうことです。
例えば、ラグビーの五郎丸さんはボールを蹴るときに指を合わせるポーズを
していました。またイチローさんはバッターボックスに入ったときに
右手を伸ばすいつものポーズから入っていました。
彼らはいつも決まった儀式をすることによって、脳にいつもと変わらないことを
伝えてリラックスしようとしています。
大事な場面では、自分なりのポーズを取ったり決まった曲を聞く、
朝食はいつも同じものを食べるなども、効果的だと思います。
空を見上げて深呼吸する習慣もいいでしょう。
まずは自分に合ったリラックス方法を考案し、緊張してきたら、
脳が不安になっていると思って、その行動を取るのです。
脳は騙されやすいので、安心して緊張がとけてきます。
後は自分を信じて挑戦するだけです。
本来の力が発揮されれば、成功は火を見るよりも明らかです。