仏教においても、脳科学の分野においても、今を全力で生きることは
過去や未来に囚われない方法です。
過去や未来は後悔や不安など、心の安定を妨げる原因になるものです。
「過去に失敗をしてしまい、今でも引きずっている」「将来の親の介護を
思うと不安になる」など今ここに悩みがないのに、自分で悩みを作りだし
生きるのを困難にしています。過去の過ちは過去のもので、自分がここにあると
思い込んでいるだけなのです。未来の心配事は、人間が思っているほど
起きません。統計的には心配事の97%は起きないとされています。
悩みは人間の思い込みなので、自分の考え方を変えるだけで、悩みは解決します。
その方法が今を全力で生きることです。
今に集中し、今を五感で感じ、全力で行動することで、脳に他事を考える
暇を与えません。
脳科学では「今」として体験される時間は約2.5秒あると言われます。
言い換えれば、この2.5秒の積み重ねが人生なのです。
2.5秒の時間があれば、私たちは注意を切り替えることができます。
例えば、スマホを置く、ブラウザを閉じる、深呼吸する。
あるいは、新しいことを始めることもできます。
本を開く、ペンを持つ、ランニングシューズを履く。
しかし、同じ2.5秒でも無駄にしてしまうこともあります。
テック企業はこの2.5秒の重要性をよく理解し、あらゆる手段で
我々の注意を引こうとしてきます。
最近のサービスがとても小さい単位で提供されるのは、そのためです。
140文字のX(旧Twitter)やフェイスブックやインスタの「いいね」、
一瞬で概要を把握できるニュースなど。
それらのちょっとした動作は、特に時間を食うようには感じません。
しかし、そうした時間の積み重ねが、何かをやり遂げることを妨げます。
無意味な2.5秒の積み重ねになるのです。
重要な方向に一歩を踏み出させば、いい未来(自分の思い描いた目標)が
待っています。しかし、逆に踏み出してしまうと、悪い未来が待っています。
その一歩は今です。この2.5秒です。
今の使い方を間違えれば、その後の行動は大きく変わってきます。
2.5秒をものにして、最初の一歩を有利に踏み出しましょう。