何かを選択したいといけいないとき、初対面の人と会ったとき。
我々は自分の思考とは別に直感に従って判断することがあります。
「AとBで迷ったときに、なんとなくAにしよう」
「初めて会う人だけど、なんとなく嫌悪感がする」など。
直感はよく使うことが多いと思うので、馴染みが深いと思いますが、
直感が何かを知る人は少ないと思います。
多くの人がスピリチュアル的なものだと認識していて、第六感だと
言う人もいます。
実は直感は科学的に証明されている脳の機能なのです。
脳は一日に3万から4万回判断をくだすと言われます。
その分エネルギーを余分に消費してしまうため、脳はできるだけ節約しようと
行動や思考をルーティーン化しようとします。
歯磨きや食事を意識しなくても行えるのは、このシステムのおかげです。
体重の2%しかないのにエネルギーの約25%を消費してしまう脳の節約は
生命活動の維持には欠かせません。
直感もこの脳の節約システムの恩恵であります。
脳は過去に経験したデータを保存しています。それを取り出してきたり、
融合させたりしながら、現在の状況に対応しています。つまり、
直感とは過去の経験から近いものを脳が探し、勝手に選んでいるということです。
このため直感力には個人差が生じます。経験豊富な人生を送ってきた人は
選択肢が多いため、確実性が増します。逆にあまり人生経験を積んでこなかった
人は精度が低く当てになりません。
有能な経営者が次々と事業を成功させることができるのは、迷ったときの
判断にこの直感力をうまく使うためです。言葉ではうまく説明できなくても
その解答の裏には、脳が大量の経験から導き出した確かな答えがあります。
当てにし過ぎてはいけませんが、上手に使えば、成功を約束する力強い
味方になります。
直感力を鍛えるためには、多くのことを体験し、本を読んで経験することが
有効です。自分の知らないことを知ろうとする探求心が大事で、得られた知識は
脳の中で知恵になり、困難に打ち勝つ武器になります。
人間は自分の得意なことや興味のあることにしか反応を示しません。だからこそ、
新聞読んだり、プレジデントなどを雑誌を読むことで自分の知らない知識を
得るのです。一度見たことのある情報は、脳が興味あることリストに載せるため
次に見たときには自然と目に留まります。それの繰り返しにより、ビックデータに
蓄積した情報が直感として働くのです。
迷ったときは自分と直感を信じられるような人間になりましょう。