私が子供のころは、まだ携帯が出始めたばかりで、ポケベルやPHSの最全盛期でした。
その当時は携帯は必要なく、生活することに支障はありません。
しかし、現代においてスマホはなくてはならない物になってしまいました。
電話、メールだけでなく、お財布やカメラ、手帳や音楽など、この小さな
ボディーの中に多機能が凝縮され、ほとんどの欲望が満たせます。
人間は暇な時間の大半をスマホに費やしているとの研究結果もあり、
麻薬のような中毒性が実証されています。
我が子も暇なときはすぐにスマホを触り、TikTokやYoutubeなどを
見て過ごしています。現代の子にとって新しい情報は輝くような新鮮さがあるので
しょう。中には為になるのもあるので全否定はしませんが、本当は本を読み
成長してほしいと願っています。
しかし、一度楽を経験してしまうと、人間は元には戻れません。
ホメオスタシス(恒常性)が働き、今の状態を変化させないように脳が命令を
出すためです。余程強い意志があるか、習慣を変えなくては、大人になっても
この傾向は続くことでしょう。
人間にはこの恐ろしい機能があるため、堕落を助長してしまいます。
しかし、学校生活や友達関係も今やスマホがないと機能しない現代では
与えない選択肢がありません。スマホデビューが低年齢化し、
親世代にとっては果たして良いのかどうか答えがわかりません。
そのため今後の経過も解らず、手探りでしか対応できないもどかしさが
あります。果たして子供にどのような結果がもたらされるのか、親と同じ年齢に
なったときにはじめて答えがわかるのかもしれません。
理想を言えば、自分でしっかり物事を判断できて、人格が形成してから与える方が
有効活用してくれると思います。(それは無理なことはわかっています)
では、今の親は何ができるのでしょう?
頭ごなしに注意をしても反発するだけです。
「~しなさい」と言っても従う振りをするだけです。
子供を正しい方向に導くためには、一緒に考えることが大切なのではないでしょうか。
スマホの普及で一方的に情報が流入し、自発的に選択するというよりは受け身に
なっている感じがします。情報やニュースについて一緒に考えて意見を聞くのです。
自分の頭で考えることは自立への一歩です。自分の考えを持つ習慣ができれば、
スマホに操られることなく、使いこなすことでできるはずです。
スマホを与えて楽できるのは親なのかもしれません。しかし、子供の将来に責任を
持って導くためには、親が努力し忍耐強く子供と話合い、新しい知識を得る喜びや
達成感などを分け合わなくてはいけません。毎日学校で何があったのかを話し、
それについてどう思ったかを聞くのです。言葉にするのが難しかったら、交換日記を
書いて話すことも有効です。自分の気持ちを理解して、自分の考えをまとめる。
現代の子供たちに足りないのは、そこではないかと思います。
スマホはその問題のきっかけになっているだけで、人間の本質的な問題は、
思考力、会話力の低下、アイデンティティの確立ができないことです。
まずは家庭でしっかり向き合って話すことが大切です。
子供が自分は誰で何のために生きているのか、その謎が解けるように
導いてあげましょう。