有心の百錬、鋼を成す!

常に自分の成長を目指して!

現代に潜む魔術師

中世ヨーロッパでは人智を超えた不可思議な出来事は魔女のせいだとされて

魔女狩りが頻繁に行われていた歴史があります。現代のように科学が発達して

いなかったため、日常生活から自然の現象に至るまで不思議な出来事は

神か魔女の所業であると考えられていました。

情報が少ない社会では迷信が人々の心を稲光のごとき速さで掌握していきます。

 

では、現代社会では科学技術も発達し情報も過多なので、人々の心は安定している

のでしょうか?

 

結論は逆に心の不安定さが増しています。

 

精神を病み自殺する人が過去最高に達します。昔以上に心は荒んできています。

 

その原因は情報の過剰供給にあるのではないしょうか。

ネットやテレビから濁流のように情報が供給されます。

「おいしい食べ物」「素敵な服」「楽しい旅先」「中毒性のある動画」

 

本来、自身の経験や本などから価値観を学び少しずつ成長していくのが

人間の姿です。ゆっくりと自分にあったものを考える行為が大切な

プロセスです。

 

しかし、情報が多い故に自分で考えることができず、他人の「いいね」が

自分の「いいね」になってしまいます。つまり、思考は止まったまま

頭に情報だけが貼り付けられ、それが自らの考えだと勘違いしているのです。

 

本来の自分との乖離が大きいため、無理がきて心が病んでいくのでしょう。

この情報の多さは中世の魔術そのものです。我々は知らず知らずのうちに

情報に蝕まれて人智を超えた力に屈しているのです。

 

この魔術から逃れるにはどうしたらいいのでしょう?

 

それは自分の頭でしっかり考えることです。

魔術にかかっている状態は思考が停止していることです。この状態では仕事も

うまくいかず、すぐ辞めてしまう。生活も荒み、相手のことも考えられないので、

結婚もできません。

自分自身の哲学に基づいた考えを持つことで、自分を守ることができます。

そのためにも、多くの本を読み吸収し、己の礎を作るのです。

本を読む時間が増えれば、テレビや動画を見る時間も減ります。

 

まずは、「この情報は正しいのか」「自分に本当に必要なのか」などの

疑問を持つことから始めましょう。疑うことは考えることの第一歩でもあり、

自分を守る大事な思考です。考えることが自分でいられる唯一の方法です。

フランスの思想家パステルも言っています。

「人間は考える葦である」と。