日本人は質問をするのが下手です。
学校教育が正解か不正解を問う問題が多いためではないでしょうか?
正解はひとつのため「失敗を恐れる」「恥をかきたくない」「周りからバカだと
思われる」などが原因として挙げられます。
このため、多くの人は質問することを恐れて、理解した気になるか解らないことを
そのまま放置します。
しかし、解らないままでは、同じ失敗を繰り返したり、それ以上のことを学ぶ
機会が失われます。質問することは非常に大切なのです。
自分の気持ちに気づくために自問自答することも質問です。
それはアイデンティティを作るために欠かせない行程です。自分の気持ちや考え方が
解らないのでは、他人と議論したり理解することが不可能だからです。
だから、実は頭のいい人ほど質問します。
成功者は質問を巧みに使って今以上の成果を上げます。
例えば、世界輸送業のトップに立つFedExは「世界を最短ルートで結んで効率化を
図るためにはどうしたらいいのか?」という質問を考え、首脳陣だけでなく
社員も巻き込み、みんなで意見を出し合いました。その結果、遠回りになっても
ハブ空港に荷物を集積してから運んだ方が効率的なことが解りました。
現在では当たり前になっている荷物輸送システムが出来上がった瞬間でした。
またGoogleも「世界中でインターネットをつなぐためには、どうしたらいいのか?」
と問いかけます。高い山でも海でも、ジャングルの奥地でも、ネットを使うことができたら、遭難の防止や救助、ケガなどの対処にも役にたちます。
FedEx同様、多くの社員と質問し合い、基地局を付けた風船を飛ばすアイディアが
生まれます。笑ってしまう作戦かもしれませんが、社員たちはとりあえず
思いついたことを形にしていきます。頭であれこれ考えて身動きができないより、
行動するからこそイノベーションが生まれるのです。
イノベーションの数を日米で比較したら一目瞭然です。
これらは頭の良し悪しの問題ではなく、質問というツールをどのように
使うかを知っているか知らないかの問題です。
日本人は奥ゆかしいのが美徳とされてきましたが、国際競争の現在ではこれが
仇となり、「自分の意見を言えない」「自分が何者なのかがわかない」という
レッテルを貼られて日本人の地位が下がってきました。英語が話せないとか
国際競争に負けてきたのも、これらが原因だと思います。
日本の教育自体を変えるのが最善だと思いますが、何十年と続いてきた秩序を
いきなり壊すのは不可能です。大切なのは、一人ひとりがこのことに気づき、
解らないことを、そのまま放置せず、解決しようと努力すること。
そして質問して問題を共有することです。
人に尋ねることは恥ではなく、自分が成長するチャンスなのです。
是非、日頃から小さいことでも質問して、チャンスを広げていきましょう。