「ぼーっと」していて気づいたら時間が過ぎていて勿体ないことをした という
経験をお持ちの方もいると思います。
しかし、何もしないで、ただぼんやりとした時間を過ごすことは
実は脳にとっては、かなり重要で必要なことなのです。
この勿体なく過ごしてしまった時間の間、脳は休んでいるのではなく
むしろ活動量は15倍にも及ぶという報告もあります。
このとき脳ではデフォルトモード・ネットワーク(DMN)という
神経回路が活動しています。
この回路は脳のスタンバイ状態のことで、車でいうアイドリングストップの
ようなものです。
要は、脳の他の部分が休んでいても、すぐに活動できるようにするためです。
遥か昔の時代、休んでいるときに急に猛獣が襲ってきたときにでも
急遽対応可能なように脳が進化したと考えられます。
DMNはこれから自分の身に起こり得ることをシミュレーションしたり、
過去の自分の経験や記憶を整理、統合したり、自分が置かれている状況を
把握したりと、いろいろなイメージや記憶を想起させながら
脳内で自分のこれからをよりよいものにしていくための準備を整えているのです。
このため、ぼんやりしたり、シャワーを浴びていたり、トイレに籠もっているとき
など、DMNが活動しているときに、ひらめきや発明が起きやすいと言われています。
逆にDMNの活動時間が少ないと、注意力、集中力、判断力、記憶力、
ひらめきなどの想像力がすべて低下し、脳の老化も進みやすくなります。
現代人は暇なときや空き時間にスマホやゲーム、テレビに時間を使うことが
多いですが、脳を絶えず使い続けることは、DMNを妨害し、脳を疲労させ
脳の働きを退化させる原因にもなります。
たまには何もしないで、ぼーっとした時間を楽しみましょう。