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デフォルトモード・ネットワーク

ぼんやりした時間は、脳のデフォルトモード・ネットワークという神経回路を

使い、発明やひらめきと引き起こすというメリットを昨日のテーマでお話しました。

 

今日はその優秀な回路であるデフォルトモード・ネットワークの

もうひとつの顔です。

 

自己とはなにか?

説明が難しい問題ですが、最新の研究では脳が作り出したストーリーに登場する

主人公が自己であるという見解です。以前のテーマでお話したこともありますが、

我々が見ている景色は予め脳が予測して作り出している映像の可能性があります。

自己とは脳が作り出したストーリーの数だけ存在するので、ひとつではありません。

また、我々を動かしている存在ではなく、精神の上位に当たるものでもありません。

 

この自己があるため、悲しみや怒りなどの感情が生まれます。

これらの雑念から解放されるためには、自己を停止するのが解決策です。

 

ここで鍵になるのが、デフォルトモード・ネットワークです。

これの役割のうち、将来のことを考えたり、過去を振り返ったりする機能が、

自分にまつわるネガティブな物語を生み出してします。

うつ病患者ではデフォルトモード・ネットワークの活動量が大きいとの

報告もあります。

 

つまり、デフォルトモード・ネットワークの副作用によりネガティブな発想が生まれ

それによって自己が発生し、悲しみや怒りが生まれるのです。

 

この解決策として、同じ音階や歌詞の繰り返しが有効です。

例えば、お経や詠唱、音楽です。これらは同じことの繰り返しが多いのが特徴です。

繰り返し復唱することで、脳は「実はこれは大事なのかもしれない」 と思い

デフォルトモード・ネットワークが停止し、脳の中枢が機能し始め、

悲しみや怒りといった自己は消滅していきます。

 

日常で、悲しみや怒りがあるとき、お経を唱える人はいないと思いますが、

何か他のこと、例えば、「お皿を洗っている」、「歩いている」など

繰り返し復唱していると、いつの間にか、心も落ち着いてくるはずです。