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地政学的に見たシンガポール

娘が中学に進学して、学校からの配布資料に夏休みの留学に関しての

申込用紙がありました。現代はグローバル社会なので、自分の肌で世界を

感じる必要があると思います。教科書やネットから得る知識とは、まったく別物です。

私も学生時代に留学した経験がありますが、世界は広く、どの国の人も差はなく

自分が思っていた境界線はないことに気づきました。これは現地で生活しなければ

得られなかった貴重な経験だと思います。

娘にも是非、自分の感性で世界を感じてほしいと思い、申し込みをしました。

昔はイギリス、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドがほとんどでしたが、

今はマルタやシンガポールなどの国も留学先としては人気だということに

驚きました。

 

シンガポールは世界で見ると小さな国ですが、経済発展が凄まじく僅か数十年で

日本を超える経済大国になりました。高層ビルが乱立し、豪華なホテルも

煌びやかです。昔から特に資源のない国なので、日本と同じく加工貿易で栄えた国

ですが、今では金融業が主な産業になりアメリカ同様、世界中から桁違いの資金が

流れ込み潤っています。

 

地理的な観点からみるとマレー半島の先端に位置し、インド洋と南シナ海とを

結ぶマラッカ海峡があります。ここはチョークポイントと呼ばれ地政学的に

重要なポジションを占めます。日本のタンカーもここを通らないと原油

中東から運ぶことができなくなり、経済活動が止まってしまいます。

 

イギリスの植民地だったことで、公用語は英語やマレー語が主ですが、

華僑も多いため中国語も多く話されます。他民族が入り交ざった社会なので

多様性があり、活気があります。英語も中国語も勉強するには良い環境では

ないでしょうか?

 

重要な位置にあることから、昔から領土が狙われることが多く、侵略される

ことが多かった土地です。そのためアメリカ海軍の基地があり、防衛はアメリカに

依存している状態だそうです。

しかし、いざ有事の際にはアメリカに守ってもらえるかはわかりません。

そこでシンガポール政府は国策としてグーグルやメタなどのIT企業を誘致して

大規模なデータセンターを補助金を出して建設しました。

日本をはじめとするアジアの国ではグーグルで検索したらシンガポール

経由する形になります。

 

なぜこのような政策をとったのでしょう?

 

それはアメリカにとっても巨大IT企業の持つデータが非常に重要だからです。

もし有事でこの大規模なデータセンターが消失したら、アメリカの損失は

図り知れません。そのため真っ先に優先してシンガポールアメリカは守ります。

軍事費を拡大しなくても、地政学的な安定が図られ、逆に経済に注ぐお金は

増える。素晴らしい政治的手腕ではないでしょうか。

 

そんな素晴らしい成長を遂げる国で、我が子が勉強できる日を

楽しみにしています。たくさんの思い出を作ってほしいです。