人間とは成長意欲があり、断固として自分の意志を貫き、社会へと貢献していく。
そんな素晴らしい人間像を理想とする人も多いと思いますが、大抵の人間は
毎日同じことの繰り返しを好み、変化を極力嫌います。暇があれば、本を読んで
勉強したり、筋トレやジョギングを頑張る。そんな人は少数派です。
誰だってゴロゴロ寝転んだり、スマホで遊んでいたいのです。
それは人間の意志が弱いからなのでしょうか?
安心してください。これは脳のシステムなので、誰でも怠惰を好むのです。
頑張れる人が異常だと思ってもらって大丈夫です。
では、なぜ脳は怠惰なのでしょう?
人間の脳は他の生物に比べて巨大化しました。それに伴って維持に必要な
エネルギーも増加して、約20%消費します。これだけ消費が激しいと
エネルギーの摂取が減ってしまうと生命活動の維持に支障が出てくる可能性さえ
あります。そのため、脳はなるべくエネルギーを消費しないように、省エネに
努めるのです。
人間は選択や決断をする度に、脳をフル回転させ、メリット、デメリットを考えたり
未来に影響はないのかを思考しています。本人はそこまで熟考していなくても
脳の機能は熟考に等しいくらい働いています。
つまり、何か新しいことを始めたり、頑張って何かをするという行為は脳に
とっては自殺行為なのです。
毎日同じルーティンをして思考回数を減らすことで、脳への負担は減ります。
脳はそれを好むため、「ゴロゴロ寝なさい」「面白い動画を見なさい」と体に命令して
動かしているのです。我々には意志の強さ、弱さというものがなく、環境によって
のみ支配されています。
習慣は環境によって変わります。もっと言えば、環境を整えることで習慣化します。
本を読むのが苦手な人はいつもスマホを置く位置に本を置きましょう。そしてスマホを
違う部屋やカバンに入れて見えないようにしましょう。いつも手を置く位置に
物があれば、いつもの習慣によって触るはずです。手に取って本を広げれば
習慣化の第一歩です。
まずは自分のいつもの行動を思い出して、書き出しましょう。そのルーティン上に
新しく始めたいことや挑戦したいことを組み込んでいくのです。
いつも必ず行くベットに本を置くのも有効な方法です。
昔のような根性論で努力することは失敗に終わる可能性が高くなります。
三日坊主はその例でしょう。脳の仕組みを理解し、それを逆手に取った方法を
していけば、成功への道は近いのではないでしょうか。
無駄な労力を使うより、環境と整えることに精を出した方が、成功へと近づける
はずです。