有心の百錬、鋼を成す!

常に自分の成長を目指して!

ダーウィニアンメディスン

今回のテーマはダーウィニアンメディスンです。

なにやら聞き慣れない言葉ですね。

日本語でいうと進化医学。これは進化論をベースにしながら人間の病気の正体を

考えていく学問です。ダーウィンが生み出した進化論と最新医学のデータを

組み合わせて文明病の解明をしていきます。

 

人類はの誕生は約600万年前。そこから狩猟生活を続けて1~2万年くらい前に

ようやく農耕生活に移動してきました。この壮大なタイムスパンを見れば

人類の進化は古代の環境に最適化してきたと考えます。

そのため自然の中で獲物を追い、太陽とともに生活し、少数の人数と語り合う。

脳と体はそんな環境で最高のパフォーマンスを発揮できるよう進化したはずです。

 

人類が近代化したのはたかが数百年です。

まだ我々の遺伝子は昔のままなのに環境がすごいスピードで激変したことに

適応できていないため、脳や体に不調をきたしていると考えられるのです。

 

例を見ていきましょう。

「肥満」

昔は肥満などはなく、食べ物を手に入れることが困難だったため

少しでもカロリーの高いものを摂取しようと脳が判断します。

しかし、現代は高コロリーのものばかり溢れているので食べ過ぎで肥満になります。

 

トランス脂肪酸

マーガリンなどに含まれる人工の油です。最近体に悪いと評価されていますが、

摂取すると悪玉コレステロールが増えて体内で炎症反応が出てきます。

トランス脂肪酸が体に悪いのは肝臓の動きを乱すからです。

大半のコレステロールは肝臓で作られますが、トランス脂肪酸は人体にとって

新し過ぎるせいでうまく材料として扱えず、結果として悪玉コレステロール

生成されてしまうのです。

 

「孤独」

孤独もトランス脂肪酸同様、脳にとって新し過ぎる脅威です。

昔は40人から100人くらいで生活し、もし群れを追い出されてしまえば

死が待っているだけです。そのため周りとのコミュニケーション術も発達し

円滑に生活できるよう進化しました。そのため孤独は自分の生存を脅かす存在と

して認識されます。

脳は新し過ぎる脅威に対して抵抗を始め、免疫システムを過剰に反応させた結果

全身に炎症が起き不調が誘発されるのです。

 

以上が一部の例でしたが、

古代では少なかったものが、現代では豊富過ぎる(カロリー、塩分など)

逆に古代では豊富だったものが、現代では少ない(ミネラル、人付き合い、自然など)

古代にはないものが現代に現れた(スマホ、加工食品、ストレスなど)

これらの矛盾が現代の不調の原因の可能性もあります。

昔の生活に戻すことは難しいですが、スマホを触る時間を短くしたり、

ビタミンやミネラルの摂取を心掛けたり、少しでも昔の生活に近づけたら

現在悩んでいる不調もよくなるかもしれませんよ。