最近社会問題になっているのが、老人の孤独死です。
それ以外でも、若者はSNSに熱中し、人付き合いは希薄になったり、
生涯未婚の人も増え続ける一方です。
では、孤独はなぜ問題なのでしょうか?
ホモサピエンスが誕生したときには、我々の祖先は約50~100人ほどの
群れを作って生活していました。人数が少ない分、群れの中はほとんど
顔見知りで、今より密に寄り添って生きていました。
群れから追い出されたりでもしたら、すぐに死が待っています。
コミュニケーションを円滑にするために、我々の言語が発達したのです。
そのため孤独は、死に直結する危機だと脳が警鐘を鳴らします。
ある研究で、孤独と健康に関する調査が行われ、
その結果、孤独だった人に友人が出来た場合、最大15年も寿命が延びる
傾向があるとのことでした。
健康への効果はエクササイズやダイエットの約3倍に当たり、
禁煙より大きな効果があるというから驚きです。
やはり重要なのは良好な人間関係です。
たとえ、あなたが富や地位を持っていたとしても、家族、恋人、仲のよい友人などが
周りにいなければ、満足のいく生活は送れないでしょう。
また安心感のある生活は脳も守ってくれます。
80歳まで良好な人間関係が続いた場合には、認知症になる可能性がかなり低くなります。
逆の場合では、早い段階で記憶力が低下し認知症になります。
認知症とは、人間の孤独による危機から守るための、
脳の防御機構なのかもしれません。
「家族や友人を大切に」 と昔からお説教のように言われますが、
遺伝や環境によるミスマッチが起きた現代では、
人間関係こそが重要であり、健康に欠かせないものなのです。
自分の身の回りの人を思い出してください。
あなたにとって大切な人は何人いますか?