事実と真実は似たような意味と思われています。
某少年探偵も「真実はひとつだけ」と声高に叫びます。
誰もがそれに同調することでしょう。
しかし、事実と真実は同じではないのです。
科学者にとって神は存在しないという事実がありますが、熱心なクリスチャンに
とっては神に恩恵をもらっている以上、真実なのです。
ドイツの哲学者であるフリードリヒ・ニーチェは次のような言葉を残します。
「この世には事実は存在しない。ただ解釈があるだけだ」
この意味するところは、人間にとって現実とは究極的に”自分の解釈した現実”
でしかないということです。この現実を客観的に確認する方法は存在しないのです。
自分の解釈に影響を与えるのが認知バイアスです。
人間が誰しも持っている思い込みによって世界が形成され、その現実に我々が
生きています。だから、他人は他人の現実があり、自分とは同じでないことを
認めないといけません。
自分の現実を通して他人を見るため、苛立ちを覚えたり、対立が生まれます。
しかし、多様性を認めれば、他人など気にならなくなり、ストレスからも
解放されます。所詮、他人は他人なのです。
他人を変えようとしたり、説得をしようとエネルギーを使うのは無駄です。
他人は2次元と3次元のように次元が違うと思ったほうがいいでしょう。
そうすれば無駄に干渉することもなくなり、こころの平穏が保たれるものです。
人間の数だけ真実がある。この事実だけは覚えておきましょう。