日本では鉄不足の人が多いことは、あまり知られていません。
日本人が鉄分が不足しているには、以下の理由があります。
1. 食物に鉄を添加していない
欧米では小麦粉に鉄の添加が義務付けられています。
それ以外の国でも、とうもろこしや精製糖、塩、醤油、米などに
鉄が添加されていますが、日本では添加されていないのです。
2. 医療機関での健診でも異常なしと判断される
鉄が不足してくると、頭痛などの症状が出てくることがありますが、
各種検査の結果、異常なしとされます。
医師の間でも、あまり鉄不足の認知がありません。
唯一、診断されるのが、貧血のときだけです。
なぜ、異常なしと判断されるかというと、日本の基準値に問題があります。
基準値は病気のない健康な人を集めてきて、その95%が基準値になります。
日本人はほとんど鉄不足なので、基準も下がり見逃されるのです。
3.植物性信仰などの対策間違い
「鉄を補うにはほうれん草やひじきを食べればいいのでしょ?」と
思われている方も多いと思いますが、植物性の鉄とレバーなどの
動物性の鉄とは違う構造になっていて、吸収率は動物性の5分の1以下です。
ほうれん草だけで必要量をまかなうにはバケツ4杯が必要です。
現実的ではないですね。
ひじきに関しても、昔は鍋も鉄だったので、鉄分はそこ由来だそうです。
現在はステンレスやアルミなので、ひじき自体からの鉄摂取は期待できません。
一方、植物性より5倍も多いレバーはどうでしょうか?
それでも必要量摂取するには数kg食べなくてはならないので、非現実的です。
4.日本だけおかしい鉄サプリ
今のところ鉄不足を解消するには鉄サプリしかありません。
鉄剤にはキレート鉄とヘム鉄があります。世界で流通しているのは前者です。
ヘム鉄は値段も高いうえに、含まれる鉄分が少ないのです。
日本で製造される鉄材のほとんどがヘム鉄なので、しっかり鉄を吸収したい
場合は海外製のサプリを利用するのがいいでしょう。
特に女性の方は生理や妊娠・出産などで大量に鉄を消費するため、
鉄剤の摂取は必須です。
目に見えない、検査結果にも反映されない鉄ですが、体には必要なものです。
毎日サプリを飲んで、鉄を効率よく摂取しましょう。