今日のテーマは夢です。
これは叶えるほうではなく、見るほうの夢です。
「今日はいい夢を見た」「悪夢を見て目が覚めた」など誰もが経験することですね。
自分の好きな夢を見たいと思っても見られない不思議なもの。
では、夢とは一体どんな現象で、どんな役割があるのか見ていきましょう。
夢はレム睡眠のときに見るものだと、ご存じの方も多いと思います。
しかし、最近の研究によりノンレム睡眠のときも、かなり夢を見ることが
わかってきました。
夜、私たちは常に夢の中にいるのです。
ある実験で夢の内容を記述してもらったところ、
レム睡眠では、ストーリーがあって実体験に近い夢、
ノンレム睡眠では、抽象的で辻褄が合わない夢が多かったといいます。
「体は眠って脳が起きている」レム睡眠は、覚醒時のように大脳皮質が活性化し
見ている夢に関連して、大脳の運動野の手足を司る神経細胞が活性化しています。
つまり、脳の中では、体を使って、さも現実かのように夢の世界を体験しているので
具体的かつ合理的なのです。
ノンレム睡眠中は「脳も寝ている」ので、夢を見ても大脳の運動野は活性化しません。
深い睡眠中に急に起こされると、いわゆる寝ぼけた状態になっていて、
しばらく思考が混乱し、時間や場所の整合性がつかないようなときがあります。
ノンレム睡眠中に見る夢は、そんな寝ぼけた状態に近いと言われています。
以上のことから、起きたときに、抽象的なわけのわかない夢を見た場合は
ノンレム睡眠のときに目が覚めたということです。
人はたいていレム睡眠のときに目が覚めるので、ノンレム睡眠のときに
目が覚めるのは、睡眠のサイクルが狂って乱れている可能性があるので要注意です。
レム睡眠、ノンレム睡眠を繰り返すごとに夢が切り替わるので、正常のサイクルだと
一晩に7~8回くらい夢が変わります。しかし、覚えている夢は明け方の夢だけ。
それはなぜでしょう?
それは覚醒直前のレム睡眠時に見る夢には、起きる準備という役割があるからです。
これはなぜ夢を見るのかにもつながりますが、寝ぼけを回避するために、
定期的に大脳を活性化させて交感神経を優位にし、目覚めと覚醒活動の準備を
担っているためです。こう考えると明け方に近づくにつれて合理的な夢をみる
レム睡眠が長くなるのは理にかなっていると思われます。
現在の科学の常識では自分の見たい夢を見るのは不可能だと考えられています。
まだ解明されていないものも多いので、これから大発見されることを期待して
今回のテーマを終了されていただきます。