人間は夜になったら、眠ります。
誰もが、この眠りに対して疑問を抱くことはありません。
我々人間は昼行性のため、夜眠るのは自然のことです。
しかし、睡眠の長さも、回数も、就寝時間も、すべて現代の
生活に歪められて自然ではなくなっています。
先進国のほとんどの人は単相睡眠です。これは一日一回眠ることです。
夜一回だけ眠り、平均は7時間くらいです。日本はこれより短く
先進国では最下位という報告もあります。
しかし、電気のない世界に住んでいる人たちでは、事情は異なります。
現在でも狩猟採集している民族では二相睡眠を取っています。
これは夜寝て、昼間も30分から1時間ほど昼寝をします。
つまり、一日二回眠るということです。
さらに、寝る時間も日没後なので、夜9時くらいには就寝し、
朝は夜明けとともに起きます。平均でも9時間以上は寝ています。
さて、現代の先進国の事情を見ていくと、夜はテレビを見たり、
スマホを触ったりして、気づいたら真夜中のことが多いと思います。
しかも、朝は早く、やることもいっぱいです。
それに加えて忙しい昼間に仮眠を取れる人はまれです。
これでは睡眠負債が貯まる一方です。
二相睡眠は我々の祖先である旧石器時代の人々から、受け継がれて
きた習性なので、現代人との生活の相違は、負担となってのし掛かります。
二相睡眠は例外なくすべての人類が持つ習性で、午後になったら眠くなるのは
必然でもあります。遺伝的にも、生物学的には昼間に仮眠するのは正解なのです。
昔ヨーロッパの国では、シエスタと呼ばれる昼寝の文化があり、
日中はお店も閉めて、全員寝ていました。現在では、日中も働く生活習慣に
なってしまいましたが、シエスタをしてしたころと比較をすると、
現在の人の方が、脳卒中や心筋梗塞での死亡率がかなり高くなり、
最大60%近くも死亡率が上がった事例もあります。
自然に任せた生活の方が、本来の人間の生活にはあっているのかもしれません。
旧石器時代の生活を今からするのは無理がありますが、
夜はスマホをやめて早く寝ましょう。昼休憩中、眠ることができれば
少し仮眠を取り、無理なら、目を閉じたりして体を休めましょう。
少しでも、体を休めれば、午後からの集中力も上がり、仕事の
パフォーマンスも上がるはずです。
無意識に無理をしている現代です。
睡眠や体を休めることに意識して、ストレス社会を乗り切っていきましょう。