日銀の植田和夫総裁が、読売新聞のインタビューでマイナス金利政策の
解除を含めて、いろいろな選択肢があると語りました。
日銀などの中央銀行は、政府と協議して金利を操作し、景気をコントロールします。
例えば、景気が過熱し過ぎてインフレが進む場合には、金利を上げてお金を
借りにくくし、強制的に景気を抑圧します。景気が良すぎると物価も上昇し
生活が困難になってしまいます。
逆に不景気の場合には金利を下げてお金を借りやすくし、景気の押し上げを
計ります。現在の日本は長期に渡ってデフレが続くので、金利はすでに
マイナスになっています。
普通は金利をマイナスにすれば、お金を借りる人も増えると思うのですが、
日本がデフレを脱却できない理由はお金だけではないようですね。
日経株価が上昇し、インフレも進んでいるため好景気になってきている感じが
しますが、実際、儲かっているのは円安の恩恵を受ける輸出系の大企業のみです。
ニュースや新聞で、賃金上昇の話題が取り上げられていましたが、
これらはみな大企業のみです。未だに中小企業は不景気から立ち直れていません。
エネルギーコストや輸入品の値上げにより、業績は悪化する一方です。
マイナス金利を解除しては、困窮している中小企業を見捨てることになります。
中小企業は技術的にも、経済的にも日本の基盤でもあります。
もう少しその事実を理解しなくては、日本は崩壊に向かうでしょう。
今までの政策でデフレが脱却できていないなら、それはやり方が間違っているのです。
MMT（現代貨幣理論）を導入するなり、消費税を下げたり、
大胆不敵な、今までにない政策をしなければ日本は変わらないでしょう。
是非、政治家の皆様たちには、他人の批判を恐れず、自分の信念を貫き
日本をよい方向に導いてほしいものです。
