日本で生活していると日本円としか触れ合わないので、
あまりピンとこない方もいると思いますが、世界ではそれぞれの国が
それぞれの通貨を使って生活をしています。
アメリカドル、ポンド、ユーロ、元、ウォンなど様々な通貨があります。
その国で生活する分には問題ありませんが、貿易においては国の情勢や
為替の影響を受けたり、いろいろ問題がでてきます。
現在貿易において一番多く使われている通貨がアメリカドルです。
では、なぜアメリカドルなのでしょうか?
考えられるのは次の3つです。
アメリカが世界で最も流動的な金融市場を持つのは、アメリカ経済の規模、
アメリカ経済の強さ、多くの国より制約の少ないオープンな貿易と
資本の流れ、強い法の支配と財産権、そして、それらを実行してきた
歴史があるからです。
アメリカは世界経済の約25%を占めているだけなのに、
世界の外貨準備の約60%がアメリカドル建てなのは、これが理由です。
2000年はアメリカドルは世界の外貨準備高の71%を占めていましたが、
2023年には60%になりました。
しかし、この数字は21%のユーロ、6%の円、5%のポンドより
遥かに高い数字です。
中国がアメリカに代わって覇権国になると噂が出てきてますが、
この数字をみる限りアメリカの強さは変わらないでしょう。
2. 貿易や国際金融ではアメリカドルが支配的
ヨーロッパ以外では、輸出の70%以上がアメリカドル建てで請求されています。
これは同じ通貨を使ったほうが利便性がいいのと、自国の通貨に比べて
価値があり安定しているのが大きな要因でしょう。国際貿易では
多くの国や企業が関わっているため、アメリカドルから他の通貨に
切り替えるのは現実的ではないのです。
また、国連の機関や金融関連もアメリカが創ったものなので、
アメリカドルが優位になるように創られています。
アメリカは2022年に外国から3.3兆ドル(約433兆円)輸入しています。
逆に輸出したのは2兆1000億ドル(約262兆円)に過ぎません。
これでは赤字が大きくなり、財政難になってしまいます。
しかし、この赤字により多くのアメリカドルが外国人の手元に残り、
この人たちは世界で最も安全で最も流動性の高いアメリカの株や債権を
購入します。そのためこの赤字はアメリカの喜びなのです。
以上の観点がアメリカドルが世界最強と言われる所以です。
何十年後では変わってくるかもしれませんが、まだまだアメリカの
強さは続くでしょう。