毎日規則正しく生活していますか?
小学生のころから「夜更かしはいけません」「夏休みは早起きしましょう」
などと事あるごとに言われ続け、それが当たり前だと誰しもが感じているはずです。
しかし、学校の先生にしろ、親にしろ、なんで規則正しく生活しないといけない
のかを明確に説明できません。
そもそもなんで規則正しく生活しなければならないのでしょうか???
眠いときは寝たいだけ寝てはいけないのでしょうか???
ご飯は決められた時間に三食食べないといけないのでしょうか???
今日はこの常識にメスを入れていきたいと思います。
人間が規則正しく生活しなければいけないのは、大きく分けて二つの理由があります。
ひとつが自分を律するためです。ふたつめが体内時計を正常に保つためです。
まずは自分を律するところから見ていきましょう。
人間は心と体が一体化していると誰もが思っています。しかし、心と体は別の
意識があり、それぞれ個別の動きをします。
想像してみてください。あなたは今ソファーやベットでゴロゴロしています。
しかし、学校の宿題や仕事、家事をやらなければいけません。頭ではやらなければ
ならないと思っているのに、体はなかなか動きません。もし、心と体が一体化
しているならば、頭で考えれば体は勝手に行動するはずです。
これができないのは、心と体のシンクロ率が低いからなのです。
つまり、腰が重く行動力がない人はこのシンクロ率が問題なのです。
先ほど、心と体と書きましたが、正確には脳と腸です。
脳腸相関と言われるように、脳と腸には迷走神経を介した、親密なネットワークに
よって結ばれています。それぞれが命令を出し合い、体を最適な方向へと動かして
います。
脳から腸に出した命令によって、ホルモンやサイトカインが放出され、人が行動する
原動力を作ります。普段からこのネットワークが強化されていると、一連の流れが
スムーズになって、すぐに行動できる人間になるのです。
そのため、規則正しく生活するという心と体の約束がしっかり守れると、
ネットワークが強化され、自分の思ったように行動しやすくなります。
また、約束を守ることによって、自尊心が向上され、自分を信じることができる
ようになります。これを繰り返すことで、すぐに行動できる、フットワークの軽い、
できる人間が出来上がるのです。
次に体内時計です。
多くの人は体内時計があることをご存じだと思いますが、体内時計には脳を中心と
した中枢時計と腸をはじめとする末梢を司る末梢時計の二種類があります。
朝起きて日の光を浴びるとリセットされるのが、脳の中枢時計の方です。
起きたときには、まだ末梢の時計がずれたままなので、朝、定時にご飯を食べることに
よって末梢時計がリセットされ、中枢と末梢の時計がシンクロします。
この時計がずれたままだと、気分がスッキリしなかったり、集中力が保てない
原因になりかねません。
ご飯を三食決まった時間に食べることは、この体内時計の調整に一役かっている
のです。
我々人間は脳や腸内細菌、臓器などいくつもの別個体を神経やホルモンによって
連携することによって、成り立っています。それが別々に動いていては、まとまらず
前に進むのも苦労することでしょう。まずは自分を統一することです。
そのためには、まず朝起きたら、カーテンを開けて日光を浴びましょう。
そのとき、両手を上に伸ばし、体を前後左右にゆっくり呼吸しながら、傾けて
いきましょう。それは腸を動かす体操です。さらにコップ一杯の水を勢いよく
飲み干しましょう。胃に物が入ると体内時計がリセットされ、蠕動運動が始まり
ます。便通もよくなりますし、体が動き出す感じがします。
次にベッドメーキングをして、掛け布団や枕、抱き枕を整えましょう。
寝る前には、起きたらベッドメーキングすると自分に言い聞かせます。そして
朝、実行することによって、自分との約束を守ることに成功するので、
自尊心の向上や自分を信じることが強化されます。小さいことですが、
これの繰り返しによってネットワークが強化されます。侮ってはいけません。
なぜ規則正しい生活が必要なのかが、ご理解いただけたかと思います。
結局は自分が成長して、自分の理想とする人生を送るために必要なことなんですね。
どんな生活をしても個人の自由ですが、みんなより良い生活を望んでいるはずです。
ならば、規則正しく生きるしかないでしょう。