「部屋にゴミが散らかっていて整頓できない」
「ずっと家の中にいるのが苦痛で出掛けてしまう」
「人間関係のストレスで疲弊している」
このような問題は誰しも抱えていることでしょう。
実はこれらの問題は人類が定住したことに起因しているのです。
人類が誕生して約400万年経ちました。
そして定住を始めたのが約1万年前です。
つまり、長い人類の歴史の中で定住はごく最近の出来事なのです。
我々には移動することに最適化した遺伝子が組み込まれているのです。
移動しながら生活することを遊動生活と言いますが、遊動生活が定住生活より
劣っているわけではありません。我々はつい移動生活を原始的な人間だと思い
こんでいますが、逆に移住しながら生活することは地球環境、生物的に
理にかなっています。
定住してしまうと、その周囲の食料や木材などの資源を取り尽くしてしまいます。
その点、遊動は取り尽くしても、他に移動している間にその場所の資源は回復して
いきます。生活している以上、ゴミは出るし、死人も出ます。定住ではその累積が
あるためゴミ問題や墓地問題などが出てくるのです。またゴミの分別や片付けが
できない人はこの遺伝子の影響が強いのかもしれません。遊動であれば
整頓できなくても、少ししたら移動します。その当時は片付ける習慣すら
なかったことでしょう。
人間関係においても定住している以上、毎日同じ人と顔を合わせます。
関係が悪化してしまえば、毎日気まずい思いをしながら生きなければいけません。
そのため多くの人はストレスを抱え込み、体調を崩してしまうのです。
家でじっとしていられない、旅行好きの人も遊動遺伝子が強い人かもしれません。
定住によって人類は爆発的に増殖し、世界の隅々まで行き渡りました。
もはやかつての遊動生活は無理になり、遺伝子とのギャップに苦しむ世界だけが
残されました。ゴミ問題や人間関係の問題は変わることなく続いていくでしょう。
それに一喜一憂するのは運命に逆らうことです。
時に遺伝子を満足させるために、目新しい景色を見せてあげましょう。
結局は人類は旅を止められないのです。