有心の百錬、鋼を成す!

常に自分の成長を目指して!

羞恥と嫉妬に振り回されない 自分らしく生きるために

人前で話をしたり、大勢の前で演技するのは、誰もが恥ずかしいと思うことです。

私も講演会などに出席した際、みんなの前で質問するのが恥ずかしくて、終わった後

こっそりと演者の方に聞きにいった記憶があります。

また、自分よりもお金持ちだったりイケメンだったりすると、嫉妬するのも

あるあるですよね。

 

なぜ「羞恥」や「嫉妬」といった感情があるのでしょうか?

 

はっきり言って、これはいらないのではないかと思っています。

羞恥や嫉妬がなければ、人生もっと楽に生きられると思いませんか?

大勢の前でスピーチしても、大衆の前で変なパフォーマンスをしても

恥ずかしくないし、嫉妬もなければ誰かと比べることもなく、平穏に暮らせる

はずです。なぜ神さまはこんな感情を作ってしまったんだ。

 

そもそもこの感情が誕生したのは、紀元前何万年前?おそらく原始人くらいかな?

初期の人類が群れを作って生活するようになってからだと言われています。

私たちは自分の生命を脅かす脅威と対峙したときに、逃げるか、戦うかの

行動をとります。これを「闘争・逃走反応」といいます。

恐怖や怒り、不安や悲しみといったネガティブな感情は、私たちに生命の危機が

迫っていることを知らせてくれるシグナルです。このネガティブな感情の中でも

羞恥や嫉妬はかなり昔に獲得した感情なのです。

 

集団生活では、それぞれ役割分担をしてコミュニケーションを円滑にすることが

大事になってきます。もし、周りに嫌われて群れを追い出されでもしたら、

待っているのは死です。今でもそうですが、人はひとりでは生きられないのです。

そのDNAは今でも我々に色濃く受け継がれています。

例えば、集団の中では役に立たない人間や、裏切り行為を働く人間を排除する方向に

進化圧が働きます。また、集団の中で自分より有能が人間を見ると、自分が

排除されるのではないかという脅威を抱きます。

これが羞恥や嫉妬の感情の正体で、「社会的感情」と言われています。

つまり、恥や嫉妬は自分が社会から排除されてしまわないようにするための

安全装置でもあったのです。

 

「人を動かす」の著者でもあるデール・カーネギーは「人を動かす唯一の方法は

相手の自己重要感を満たすことである」と言っています。自己重要感とは

自分が他者から大切な存在として扱われているという感情のことで、自分を

重要な存在として敬意を払ってくれる人に対して、好意や信頼を感じます。

自己重要感を感じられる場所は安心で快適だと感じ、逆に感じられない場所では

不安や不快に感じて逃げてしまいます。

つまり、自己重要感を感じるのは「誰かに必要とされている」時なのです。

このとき恥や嫉妬といった感情は皆無であり、この先も安心して生きていけると

思うのです。

 

人間が社会的な生き物だと言われる所以はこういった理由で、人は本能的に

社会の中で誰かに必要とされ、自分の存在意義や価値を感じたい生き物なのです。

心理学者アルフレッド・アドラーは「すべての悩みは人間関係にある」と

言いました。それを掘り下げていくと、本当はみんな誰かに必要とされたい

本心があることがわかります。

自分の役割を明確にして生きることができれば、必ず必要とする人が現れます。

そのことに邁進すれば、羞恥や嫉妬から解放され、自分らしく生きていくことが

できるはずです。是非、必要とされるのを待っているだけでなく、誰かのために

行動してください。