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歴史のターニングポイント 宗教改革と科学の発展

時は中世ヨーロッパ。

 

カトリック教会は絶対的な権力を誇示して繁栄を極めていました。

ローマ帝国の国教として保護され、独裁政治さながら、やりたい放題です。

他に競合もいないし、信者は神の教え以外、学ぶ機会がなかったのですから

当然ですよね。その時代の科学は神を冒涜する悪であるとされ、科学者は

弾圧や処刑され、書物はすべて焼き払われました。人々は文字も読めないし、

神には逆らわないので、教会としても、よい家畜程度にしか考えていなかったの

でしょう。

しかし、そんな皇帝を凌ぐ教会をも揺るがす大事件が発生します。

中東で生まれたイスラム教です。聖地エルサレムイスラムに占拠されて

しまったため、教会は十字軍を派遣して戦争を仕掛けます。この宗教戦争

すぐ終わるかと思いきや、30年近く続いてしまったため、国力や求心力が

低下して、次第に宗教に対する不満を持つ人たちが現れてきます。

決定打となったのが、教会が資金集めのため発行した免罪符です。これさえ

買えば罪が帳消しになり天国に行けるという、今でいう悪徳商法まがいの怪しい

ものです。

そこで登場したのが、ドイツのルターです。

彼は、罪とは徳を積むことによって償うものであり、免罪符のようなものは聖書には

書いていないと教会を厳しく批判し、破門にされます。

しかし、怒りは収まらず、教会との徹底抗戦に出ます。その当時の聖書は

ドイツ語には翻訳されていなかったため、ドイツ人は聖書を読んだことが

ありませんでした。ルターは不眠不休で聖書をドイツ語に翻訳し、

開発されたばかりの活版印刷を利用して本を大量生産します。

それを読んだドイツ人は聖書の内容を理解して、カトリック教会に反旗を翻し、

ここに新しい宗派であるプロテスタントが誕生します。

 

以上がプロテスタント派が誕生するに至った経緯をですが、その宗教対立の裏で

再び科学の息吹が芽吹こうとしていました。この活版印刷により本が普及すると

視力が弱く、文字が読みにくい人がいることがわかったのです。世界で初めて

視力の問題が取り沙汰された瞬間です。

そのためレンズが開発され、人々は眼鏡をかけるようになりました。それを応用して

オペラグラスや顕微鏡、望遠鏡の開発が相次ぎます。微生物の発見や天体の観測が

進み、また科学が発展する起爆剤になりました。のちにニュートンなどの

科学者によって西洋科学は繁栄を極め、大航海時代へと突き進んでいきます。

 

時代の転換期はいくつもありますが、この転換期がなかったら科学は発展せず

今の人類の繁栄はなかったかもしれません。歴史を見ていく上でターニングポイントを

確認しながら見ていくのも、面白いのではないでしょうか?