新NISAがスタートして半年経ちました。
若者の多くが口座を開設し、投資を始めています。
投資を始めることで、経済に興味を持ったり、お金に関して真剣に考えるように
なると思うので、よいことではないでしょうか。
なぜ政府は急にここまでNISAを改善して投資を促進しようとしたのでしょうか?
それは経済の冷え込みと日本人の習性にメスを入れるためです。
日本人は全体で約1000兆円もの貯蓄があります。要は大きな買い物をせず、
投資にも回さず、預貯金で溜め込んでいるのです。
企業も同じく、株主や従業員に還元しないで内部保留という名の貯蓄をしています。
こう聞くと日本人は溜め込むことが好きな民族なのだと思ってしまいます。
その反面、競馬やパチンコなどのギャンブルが好きな人が多い事実があります。
さらにバブル期には不動産を買ったり、株式に投資する人がたくさんいました。
つまり、もともと投資好きな民族にもかかわらず、先行き不安定な日本経済に
みんなの不信感が積もり、投資を躊躇させているのです。
では、なぜ日本経済がこんなに冷え込んでしまったかというと、バブル期に
大きく円高になってしまったからです。
戦後、1ドル360円の固定相場制だったので、どんどん国内で製造して輸出することで
日本経済は活性化しました。そして世界に類を見ない高度経済成長を遂げるのです。
しかし、変動相場に変わり、政府と日銀の政策失敗により、円高へと移行します。
円高になると輸出が不利になるので、輸出企業の多くは海外に工場を移転させ
現地生産するようになります。そうなると国内の産業の空洞化が進み、国内への
投資が激減し、お金が循環しなくなります。購買力の減少により、不動産価格などが
暴落しバブル崩壊に至ったのです。
現在でも国内でのお金の環流が途絶えているため、日本経済は停滞しています。
それを改善するための起爆剤として新NISAを出してきたのです。
しかし、投資について勉強している人はご存じでしょうが、今投資をしている人の
多くはオルカンやS&P500といったインデックスに投資をしています。
これでは海外にしか資金が移動しないので、国内にはほとんど還元されず、
日本経済はアメリカの景気によってのみ、左右されるだけです。
日経平均株価が一時40,000円を超えて景気が回復してきてるように感じますが、
実際はアメリカ経済が好調で、それに影響を受けているだけで、実質の日本経済は
そこまで変わっていないのが現実です。
今の新NISAでは日本経済を変えるまではいかないはずなので、新NISAに別枠で
国内投資枠を作ってみてはどうかと考えています。
ただ枠を増やしても、メリットがなければ誰もやりません。そこで国内投資枠に
投資した金額だけ税金控除を行えば、みんな国内に投資をするのではないで
しょうか?少なくとも6月から始まった定額減税よりは効果があると思います。
日本経済が再浮上して景気が回復してくれば、税収も増え、国民の消費も
増えて、みんながハッピーになれる未来が待っています。なぜ日本の政治家は
それに気づかないのでしょう。今こそ増税ではなく減税をして、控除を増やし
未来に希望をもたらしてほしいものです。